現代では、仕事やプライベート、人間関係など様々な原因からストレスを抱えている方が増えています。そのような背景を受け、体だけでなくこころの健康についても大きな関心が集まるようになりました。そこで企業向けに導入されたのが、「ストレスチェック制度」です。働く方のメンタルヘルスを守るために施行された大切な制度ですが、「そもそもストレスチェックとはどのような目的で実施するものだろう」と疑問に思っている事業者様もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこでこちらでは、厚生労働省より施行された企業向けストレスチェック制度についてまとめました。

ストレスチェックとは、企業や団体などの事業者が従業員に対して行う、心理的な負担の程度を把握するための検査をいいます。

ストレスに関する質問票（57項目の選択回答）に従業員が記入し、それを集計・分析することにより、自分のストレスがどのような状態にあるのかを調べる簡単な検査です。

なお、ストレスチェックの実施には以下の点に注意してください。

・ストレスチェックは医師・保健師などが実施します。

・ストレスチェックの結果は、従業員の同意がない限り事業者に提供することは禁止されています。

・ストレスの高い従業員から申し出があった場合、医師による面接指導が必要です。

・面接指導の結果、医師の意見を聞き、必要に応じた働き方への配慮が必要です。

ストレスチェックは、従業員のこころの健康を守るために実施された企業向けの制度で、従業員50人以上の職場では年に1回の実施が義務化されています。

このストレスチェック制度の主な目的は、一次予防です。一次予防とは、メンタルヘルス不調を未然に防ぐための取り組みのことを指します。

つまり、ストレスチェック制度は従業員のストレスの程度を把握し、従業員自身のストレスへの気づきを促すとともに、職場改善につなげ、働きやすい職場づくりを進めることによって、従業員がメンタルヘルス不調に陥ることを未然に防止することを目的としたものです。

続いて、ストレスチェック制度の概要について説明いたします。

　　　　　　　　　　

◇ストレスチェックの実施

・常時50人以上の従業員を使用する事業場では、すべての従業員※1に対して毎年1回ストレスチェックの実施が事業者に義務※2づけられています。

・事業者がストレスチェックに用いる調査票は、「仕事のストレス要因」「心身のストレス反応」「周囲のサポート」の3領域を含むことが必要です。

※1.契約期間が1年未満の従業員、労働時間が通常の従業員の所定労働時間の4分の3未満の短時間従業員は義務の対象外です。

※2.従業員数が50人未満の事業場においては、当分の間努力義務となります。

　　　　　　　　　　

◇面接指導の実施

・高ストレスと評価された従業員から面接の申し出があった場合は、医師による面接指導を行うことが事業者の義務になります。

・事業者は面接指導の結果に基づき、医師の意見を勘案し、必要があると認めるときは、就業上の措置を講じる必要があります。

企業向けストレスチェックの導入には、制度の指針に沿って様々な準備や作業を行う必要があります。このような導入前準備や事務作業を一手に任せられるのが、外部委託の存在です。

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